蛇口をひねると、当たり前のように出てくる水道水。この水道水がどのように私たちの元へ届けられているのか知っていますか?今回は、あまり知られていない水道水の裏側をご紹介するために加古川にやってきました!
私たちが使っている水道水は、ほぼ加古川の水⁉
実は、加古川市の水道水の約80%は加古川の水を利用しています。つまり、私たちは日々、きれいにされた加古川の水を使ってご飯を作ったり、お風呂に入ったりしているのです。そんな加古川の水を安心して使えるように浄水しているのが、加古川の近くにある中西条浄水場。
加古川の水がどのような工程を経て、みなさんの家庭に届くか一緒に見てみましょう。
加古川にかかっている、この大きな建物が何か知っていますか?これは加古川大堰(かこがわおおぜき)という建物で、加古川の水をくみ上げる役割を担っています。加古川大堰のすぐ近くには中西条浄水場があり、ここで川の水をきれいにしています。
浄水場のおしごとをのぞいてみよう!
「ろ過」のように、浄水場でも加古川からくみ上げた水を大きな汚れからまず取り除くようにしています。具体的な浄水の流れを見ていきましょう。
浄水の流れ
①水道水のもとになる水(加古川の水など)は「スクリーン」と呼ばれる網で大きなごみを取り除きます。
②着水井(ちゃくすいせい)へ水を送る途中で、消毒剤「次亜塩素酸ナトリウム」を注入。また、凝集剤「PAC」を入れて、高速でかき混ぜます。
③かき混ぜるうちに水中のゴミや砂は「フロック」と呼ばれる固まりになります。
④フロックを沈殿池に沈めるとともに、2回目の次亜塩素酸ナトリウムを入れます。
⑤残っているわずかな濁りを砂の層でろ過して取り除き、3回目の次亜塩素酸ナトリウムを入れて、ようやく水道水が完成!
⑥浄水池から送水ポンプで送られた水道水は、配水池にいったん貯めたうえで、みなさんの家庭へお届けします。
私たちが何気なく使っている水道水は、このようにたくさんの工程を経て届けられています。中西条浄水場では、「急速ろ過方式」と呼ばれる方法で1秒間に500mlペットボトル約1500本分の水道水を24時間体制でつくっています。
金魚は水の番人?
ここは中央監視室という部屋。監視員がパソコンやモニターで設備の運転状況や各工程の薬品の量や残留塩素濃度といった情報、防犯カメラの映像などを24時間体制で確認しています。
中央監視室には、なんと金魚が!原水(加古川の水)と水道水、それぞれの水槽で飼育しています。金魚が動かなかったり、普段と違う動きをしたりすれば、すぐにセンサーが反応し、警報音が鳴ります。こうすることで機械よりも早く水の異常を見つけることができるのです。
安心・安全な水を使えるのは、浄水場のおかげ!
水道水の裏側の世界はいかがでしたか?今まで知らなかったことをたくさん学ぶことができたのではないでしょうか。水道水を使うときに、ふと浄水場のことを思い出してみてくださいね。